庶民の味方 2014 3 9

書名 デイリーワインの王座決定
    家飲みを充実させるコンビニワインと惣菜
監修 柳 忠之  日本経済新聞出版社

 この本は、A4サイズのノートのような大きさで、
しかも、厚さは1cm以下ですので、気楽に読めるでしょう。
 企業家(起業家)向けの新聞である日本経済新聞が、
このような企画の本を出版するとは、意外でした。
 この本の趣旨は、2,000円以下のワインで、
コンビニエンスストアで売っているワインで、
「王座決定」でしょうか。
 昔は、ワイン売り場というと、デパートでした。
その後、スーパーマーケットにワイン売り場ができ、
今や、コンビニエンスストアがワイン売り場になっています。
 なぜ、コンビニエンスストアが、そういう売り場を作ったのか。
私が推定するのは、この市場が巨大なものになる可能性を秘めているからです。
 ある統計によると、日本人の一人当たりのワイン消費量は、
1年間で、3本程度だというのです。
 これでは、ボジョレーヌーボーで1本、
クリスマスで1本程度ということになり、
つまり、日本人は、普段、ワインを飲んでいないということになります。
 ということは、逆に、日本人が普段ワインを飲むようになると、
とてつもなく巨大な市場が誕生することになります。
その上、日本人の個人金融資産は、1,500兆円と言われています。
 そうなると、EU諸国としては、
何としてでも、高級ワイン(Grand Vin)を日本に売り込みたいでしょう。
 一方、デイリーワインの宝庫であるチリも、
何としてでも、日本の食卓にチリ産のワインを置いてほしいと思うでしょう。
 さて、日本人がワインを買う時、何が困るか。
雑誌で、お薦めのワインを見ても、
長々としたカタカナの名称、いや長々としたフランス語の名称は、
ワイン売り場に着くころには、忘れていると思います。
 仮に覚えていたとしても、
ワイン売り場には、似たようなラベルをつけたワインがたくさんあります。
「あのワインは、いったい、どこにあるのか」
こういう苦労をすると、ワインが嫌いになります。
 このような問題は、何らかの工夫が必要だと思います。
ただでさえ、日本人は、英語が苦手なのに、
ワインのラベルは、フランス語では、
さらに、苦手意識が強くなってしまいます。
 さて、私が、お薦めするワインは、
「CAVA BRUT CU4TRO」です。
さあ、ワイン売り場に着くまでに、
いったい何人が、この名称を覚えていられるか。
実は、絶対に忘れないと思います。
 このワインは、スペインのスパークリングワインですが、
ビン全体が、銀色のシールで覆われていますので、
一度見たら、二度と忘れないと思います。
遠くから見たら、「銀製のビン?」と思うかもしれません。

楽しいワイン 2014 2 9

書名 おつまみワイン100本勝負
著者 山本 昭彦  朝日新聞出版

「安くて、おいしいワイン」
 評論家や専門家が推薦するワインは、
1万円以上(100ドル以上)になってしまいます。
 しかし、これでは、楽しいワインとは言えないでしょう。
なんだか、気疲れしてしまい、
人によっては、肩がこってしまうかもしれません。
 楽しいワイン、痛快なワイン。
そんな企画が、あるスーパーで行われていました。
 たいていのスーパーでは、
ワインをただ単に数多く陳列してあるだけで、
いったい全体、何を買ったらよいか、わからないでしょう。
 だからこそ、日本人の年間ワイン消費量は、
著者によると、一人2.4リットルだそうです。
つまり、1年に3.2本。
 これでは、ほとんどの日本人は、
ボージョレ・ヌーヴォーとクリスマスのワインを飲む程度と言えるでしょう。
 こうなってしまったのは、
やはり、スーパーにおいて、ワインの売り方に問題があると思います。
それから、ワインに詳しい店員がいないことでしょう。
 前置きが長くなりましたが、
あるスーパーで行われていた「痛快な企画」とは、
1,000円から3,000円のワインで、
数万円もする高級ワインに打ち勝つという企画です。
 これならば、消費者に強くアピールでき、
ワインを身近なものにすることができるでしょう。
 この本で推薦するワインも、
ほとんど、3,000円以下のワインになっています。
 もう一つ書いてきましょう。
日本においては、ワインと言えば、
一般の人だけでなく、専門家ですら、
フランス・ワインに偏っていますが、
やがて、ワインの宝庫と言えば、
カリフォルニアを連想する日が来るかもしれません。
 なぜ、カリフォルニア・ワインの専門店がないのか。
数も多く、味覚も多く、品質も優れています。
その上、気候も最適です。
 だから、これからワインの研究をするには、カリフォルニア・ワインがよいと思います。
いつか食通の方も、カリフォルニア・ワインを推薦するようになるでしょう。
 ところで、私が、お薦めするワインは、以下の通りです。
シャブリ ドゥフェ 2010 成城石井
モンペラ 2008 成城石井
 なぜ、販売者が「成城石井」になっているか。
やはり、ワインには、相性があります。
 いくら評論家が「素晴らしいワインだ」と言っても、
やはり、人によって、「合う、合わない」という相性の問題があります。
 そこで、成城石井の二つのワインは、
ボトルのサイズが375ml、つまりハーフサイズになっています。
 いくら有名なワインでも、相性が合わないワインを750mlも飲むのは、つらいでしょう。
「残すのは、もったいない」と、意地になって飲むと、
いつの間にか、ワインが嫌いになってしまいます。
 375mlのハーフボトルは、日本人サイズです。
ハーフボトルで相性のよいワインを探して、
お気に入りのワインが見つかったら、750mlのボトルを買う。
これが、「楽しいワイン」です。












































































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